テント「ツェルト2ワイド」使用感レビュー

小学生の子供と二人で、Finetrack×Highland Designsのテント「ツェルト2ワイド」を使って六甲山山頂(標高932m)で野営してきたので、使用感をレビューします。
時期は7月中旬、梅雨の合間の小雨~晴れという天気の道中における利用です。

■広さ・重量

フロア:全長220 x 幅130cm
天井高:95cm
天頂部の長さ:170cm
本体重量:収納袋込で実測397g
ペグ&細引き&収納袋:チタンペグ6gx6本、モンベルペグ11gx2本、モンベル1.5mm細引き2.5mx2本+2mx2本+1mx4本+モンベル自在金具、合計実測88g
重量総合計:485g

幅130cmあるとは言え、サイドの細引きで引っ張って拡張することでようやく二人が寝られるスペースが確保できた。
サイドの細引きによる引っ張りが無いとかなり狭い印象なので、この細引きは必須。重量的にもそんなにかかるわけではないので(2mx2本+1mx4本+チタンペグ2本で24g程度の増量)、サイド細引きはあった方が快適。

■立てやすさ

シングルウォールテントということもあり、非常に楽。手間が少なく、立てやすい。
はじめに「SOL(ソル) ヒートシート サバイバルブランケット2人用 12134」を敷いて、その上にテントを配置。
四隅をチタンペグ6gでペグダウン。細いペグなので、ぐりぐり回しながら地面に突き刺すことで深く入ってくれる。
トレッキングポールをMAXの135cmまで伸ばし、2.5mの細引きをポールの取っ手部分に3回ぐらい巻き付けた上で11gのペグでペグダウン。このペグはL字型のペグなので、こぶし大の石を金槌代わりにして敷設。
それからサイドの細引きをペグダウン。引っ張りすぎると天井高が低くなってしまうので注意。

■結露・夜露

夜中2-3時頃まではふと目が覚めた時に内側壁を触ってみたが特に結露は発生していなかった。内外の寒暖差はかなりあったので、この時点で結露が全く無いのはかなり優秀な素材であるように感じた。
明け方に触ってみると、すでに夜露が降りていて、夜露が降りると内部結露が発生しやすくなるようで、内部が湿っていた。何滴かはしたたっていて子供の寝袋を濡らしていたので、タオルで拭いた。

■中の広さ

二人が寝て、さらに足元に荷物も置くことができる十分なスペースが確保できた。
高さが95cmなので、大人が座った時は頭のスペースはかなり窮屈。

■風耐性

当日は六甲山山頂でかなり風がビュービュー吹いていた。
きちんと8カ所ペグダウンしたこともあり、風耐性については全く問題なかった。

■シーム処理

このテントは販売時はシーム処理はされていない。
このテント購入時にハイカーズデポのサイトでオススメされていたシーム材を購入。テープではなくシーム材のみを利用したシーム処理を事前に実施。
天長部分と、サイド細引き部分のシーム処理を実施。床面部分はサバイバルブランケットをグラウンドシートとして敷くためシーム処理不要と判断。
当日、雨は降らなかったのでシームの効果は不明。

■虫混入対策

YouTubeで見ると、サイドの地面と接する部分はミシンで完全に閉じてしまっている人がいる。
それに習って、ミシン加工してしまいたかったが、手持ちミシンの使いにくさに不安があり、ミシン処理が綺麗にできるか分からなかったので、断念。
養生テープを必要な長さ持って行って(130cm程度)テープを貼ることで虫対策をすることにした。
片側はテープで、もう片側は子供が使っていたトレッキングポールの重みで入口下をふさいだ。
結果、小さなアリの混入は1匹いたが、それ以外の虫混入は見受けられなかった。

■土間部分

土間部分を作ることができるが、サバイバルブランケットを地面に敷いているので、結局サバイバルブランケットに靴を置く、というような形となる。
それでも、テントの床にじかに靴を置くのではなく、かつテント内にしまっておけるので、別途ゴミ袋などが必要なく靴の夜露濡れ対策ができるため、非常に便利なテントだと思った。
それこそダブルウォールテントなら当然地面の部分があるわけだが、これはシングルウォールなので、土間機能があるのは非常に運用しやすく、使いやすい。

■撤収のしやすさ

基本、ペグを全て抜いて、布の空気がうまく外に出るように折りたたんで、くるくる巻くことで収納袋にそのまま入れることができる状態に撤収できる。
多少結露と夜露を含んだ形で収納することになったが、特に不便はなかった。家に帰ってから乾かせばよい。
シングルウォールかつ、特に専用ポールも無いので、本当に軽い。

■重量

これまで使っていたのがモンベルのステラリッジ3型(2020年型)実測2065gが485gになったので、4分の1。
(もちろんポール重量約400gが別途必要ではあるが)
ステラリッジ3型は210cm x 180cmというフロアスペースであるためかなり余裕があったが、今回
220cm x 130cmと狭くはなった。ただこれだけ軽くできるのはメリットがありすぎる。

■細引き

モンベル店頭で太さ1.5mmの細引きを13m購入。

■ペグ

ステラリッジ用ペグを2本(メインの細引き用)と、
Amazonで購入した1本6gの超軽量ペグを6本利用。

■まとめ、およびULハイク、ベースウェイトについて

今回の登山ではザックが1.7kg→540gと軽量化し、
テントも2kg→約500gと軽量化できたため、
寝袋が500gと計算すると、
その3つで4.2kgだったものが1.5kgに軽量化できたものとなる。
これはかなりの効果があり、道中楽に歩くことができた。
当日、実際にはビビィと寝袋を両方持って行ったが、結果的に寝袋は利用せずビビィだけで寝ることができた。
寝袋は持っていかずにビビィ標準241g、あるいは思い切ってビビィライトを利用すれば156gに減らすことができるので、
その場合は主要3アイテムが4.2kg→1.2kgへと超軽量化できることになる。
しかもこの重量で、2人が十分な広さで寝ることができるテントを含んだ重量なのである。すごい。

なお、UL(ウルトラライト)ハイクにおけるベースウェイトの削減の極限化についてはまた別で記事をまとめたいと思います。