ウォシュレットについて

自分が高校生の頃、家にウォシュレットが来ました。
ウォシュレットというものが何か、は知っていましたが、使ったことはありませんでした。

高校生の時の自分が怖かったもの、3つを上げるとすると

害虫
ヤンキー
ウォシュレット

そう、ウォシュレットが怖かったんです。

というのは小学4年生の時に、友達の得ちゃんの家に遊びに行った時に、
はじめてウォシュレットというものを見かけました。
得ちゃんの家はピカピカの車があって、家の中も何か高級な雰囲気があって、
自分が持っていないゲーム機が家にありました。
ちょっとお金持ちなんだろうなと思っていました。
得ちゃんのお母さんが出してくれるおやつも高級感がありました。

ある時に得ちゃんの家でトイレを借りた時に、横にいろんなボタンの付いた、見たこともない便座に出会いました。
用を足して水を流し終えて立ち上がった後、これ本当に何だろうと思って、適当にボタンを押したんですね。
すると、おしりを洗浄する水が噴水のようにプシャー!と出てきたので慌てて逃げて、トイレのドアを閉めました。で得ちゃんに、「得ちゃん、トイレで何か水が出てきたんやけど!」と助けを求めました。
得ちゃんはトイレのドアを開け「出しっぱなしにしたらあかんやん」と言いながらささっと「止」のボタンを押して、雑巾で床にこぼれた水を掃除してくれました。

以来、トイレで粗相をしてしまうボタン付きの恐ろしい機械として、ウォシュレットは私の心に刻まれ、数年が経過しました。
それが家にやってきた・・恐ろしくてボタンには一切指を触れられませんでした。
恐ろしい機械に乗って用を足す・・ビビりながらでしたが、ボタンに触れなければ暴走しないことを知り、ヤツとは直接尻が触れながらも心の距離を取って毎日過ごしました。大学を卒業するぐらいまで、ウォシュレットを使うことは一切ありませんでした。
もちろん、その機能自体は理解していたので、「なんでケツを機械に掃除してもらわなあかんねん、そんな怠惰な人間にはなりたくない!紙で拭けばいいやん」とも思っていました。

今では自らウォシュレットを家に購入し、気持ちよく利用しています。
今のウォシュレットは人が座っていないと水が出ないセンサーを搭載しているので、
立ったままボタンを押しても、当時のような惨事は発生しません。
その誤動作防止機能が、若き日の得ちゃんの家のウォシュレットにも搭載しててくれよ!マジで怖かったんやから!と思います。